一般に食事は道具を使い、「分離」「積み込み」「運搬」をして口に入れることを繰り返している。
普通「分離」するにはナイフ、ハサミだが、ナイフは片方を抑えたり、下面が平らであったりする必要がある。
箸の場合は右手だけで「引き裂く作業」と「はさみ切る作業」をしながら分離作業をしている。
先日、皆で弁当を食べた時ゆで卵が入っていた。
まず他人はどうするか眺めていた。箸ではゆで卵をはさみ切れない。
そうかといって手でつかみ、ガバッとたべたくないようだ。ちょっと悩んでいた。私が手本を見せた。
真ん中を突き刺しきれいに引き裂き二つにした。それをそれぞれはさみ切って四つにしてみせた。
これは大きなジャガ芋を食べる時と同じである。
以前、世界に誇る技術を持っている三鷹光器の中村会長は
「入社試験で魚を箸で食べさせてみれば、もの作りが出来技術屋に向いているかわかる」と言っていた。
では、さんまやさばの味噌煮を食べる場合どうか?
魚には「骨」と「皮」と「身」があり、「大骨、小骨を取り除く作業」と「皮だけを分離」と「身だけを分離」をする作業がある。
その時、「引き裂き」と「はさみ切り」を繰り返しているのである。
「引き裂き」の作業を片手でできる道具は箸以外にはないのではないか。
また、引き裂きは正しく箸を持てるなら力を入れて出来る。
正しい指の動きを子供の頃から身につけている人だと思う。
これがもの作り屋の素質かも知れぬ。器用な人は指先の動きを見よう見まねで体得しているのである。
例えばゴルフなら、動かしてはならぬ骨と動かさねばならぬ骨という基本を身につけねば遠くまで正確に飛ばないことと同じだと思う。
ところで切る道具としてはナイフ、カッター、ハサミ、のこなどあるが引きちぎれる道具はあるだろうか。
ニッパやペンチを両手で引っぱるか? もっと効率よく引きちぎるとすればクサビを打ち込む。
それを考え続けてみたら斧があった。薪割りには分離する上でかなり効率的だ。あれをのこでやったら大変だ。
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