箸 HOME  国際箸学会 International Institute of Hashi ダウンロード    
| 箸通信 | 箸学会について会員のページお問合わせ箸 HOME |  

 箸通信
箸から始まる「学」と「論」(4)<br>「箸ピー1分競争」物語 No.37
箸から始まる「学」と「論」(4)
「箸ピー1分競争」物語
箸から始まる「学」と「論」(2)箸から始まるゲーム論 No.36
箸から始まる「学」と「論」(3)
箸から始まるゲーム論
箸から始まる「学」と「論」(2)箸から始まる分類論 No.35
箸から始まる「学」と「論」(2)
箸から始まる分類論
箸から始まる「学」と「論」(1) No.34
箸から始まる「学」と「論」(1)
会ってみたくて2年半、出会ってみたらビックリ仰天!! No.33
会ってみたくて2年半、出会ってみたらビックリ仰天!!
海外旅行には「マイ箸」と「割り箸」を No.32
海外旅行には「マイ箸」と「割り箸」を
小学生と箸作り記 No.31
小学生と箸作り記
大学での初めての「箸」の講義(3)感想文を読んで学生への返答 No.30
大学での初めての「箸」の講義(3)
感想文を読んで学生への返答
大学での初めての「箸」の講義(2)学生から感想文をもらってホッ No.29
大学での初めての「箸」の講義(2)
学生から感想文をもらってホッ
大学での初めての「箸」の講義(1) No.28
大学での初めての「箸」の講義(1)
「メニューインと箸」 No.27
「メニューインと箸」
はしがき No.26
はしがき
塗り箸屋さんにチャンス!! No.25
塗り箸屋さんにチャンス!!
どちらが動いていると思いますか?上か?下か?両方か? No.24
どちらが動いていると思いますか?
上か?下か?両方か?
『箸づかいに自信がつく本』のお薦め No.23
『箸づかいに自信がつく本』のお薦め
鳥、猫、人などの「手と口の関係」 No.22
鳥、猫、人などの「手と口の関係」
感謝の心を持って箸の道を究めましょう No.21
感謝の心を持って箸の道を究めましょう
秤を使わず…「十円玉と百円玉のどちらが重い?」 すぐ試してみてください No.20
秤を使わず…「十円玉と百円玉のどちらが重い?」 すぐ試してみてください
マイ箸自慢:箸の持ち方なら自信あり No.19
マイ箸自慢:箸の持ち方なら自信あり
No.18
マイ箸自慢:多角形断面の高級箸を手作り
持ち歩く箸をなんと呼ぶ? No.17
持ち歩く箸をなんと呼ぶ?
箸の良い持ち方とは?その手本をどう作るか? No.16
箸の良い持ち方とは?
その手本をどう作るか?
今、世界が注目する『「日本文明」の真価』 No.15
今、世界が注目する『「日本文明」の真価』
箸と書道と文字書き屋 No.14
箸と書道と文字書き屋
箸とうどんの摩擦力実験は… No.13
箸とうどんの摩擦力実験は…
箸とコンニャクの摩擦力実験記(2) No.12
箸とコンニャクの摩擦力実験記(2)
箸とコンニャクの摩擦力実験記(1) No.11
箸とコンニャクの摩擦力実験記(1)
「箸考」クラブ日誌 No.10
「箸考」クラブ日誌
日本人の優雅でやさしい箸 No.9
日本人の優雅でやさしい箸
片手で引き裂く道具は箸以外にあるだろうか? No.8
片手で引き裂く道具は箸以外にあるだろうか?
ケーキは箸で食べるべきである!! No.7
ケーキは箸で食べるべきである!!
バイキング料理と取り箸 No.6
バイキング料理と取り箸
食シャン塾 ─ 箸の持ち方を教える塾 ─ No.5
食シャン塾 ─ 箸の持ち方を教える塾 ─
鳥と箸とご先祖様 No.4
鳥と箸とご先祖様
トヨタの生産システムと幼児期より「箸と茶わんでの食事」の学習 No.3
トヨタの生産システムと幼児期より「箸と茶わんでの食事」の学習
ものづくりの基本は、まず箸使いができること No.2
ものづくりの基本は、まず箸使いができること
脳という監督が指のチームワーク作り No.1
脳という監督が指のチームワーク作り
 

日本の文化を味わい、世界の心を豊かにする箸 No.14

箸と書道と文字書き屋

箸に興味を持つようになったのは、私が看板屋として文字書きをしていた経験が理由の一つだ。 箸と文字書き屋には共通性があった。 看板の文字も今はコンピュータによるデザインや印刷に変わったが、以前はすべて文字書き屋による手書きであった。

その文字書き屋には二つのタイプがあった。 一つは書道家のように楷書、行書、れい書を書く人であり、もう一つは活字のような明朝体、 ゴシック体などを書く人だが、それぞれのタイプで私の運命を変えた方が一人ずついた。

一人は書道家タイプの若い人で、私が日給千円で自動車修理工場で働いていた時、 大型のトラックに数分間文字を書いただけで、二千円〜五千円のお金をもらって帰るのだった。 これが羨ましくて私も文字書きをしようという気になり、転職して塗装屋で勉強するようになった。

もう一人は、その後私がディスプレイ屋に再転職した時、 そこで帝国劇場や宝塚の看板を猛スピードで明朝体で書いていた的野さんという方だった。 彼の指の動きは実に見事であった。明朝体は直線の多い文字だが、サッと一筆で定規を用いたような線を引いたのだ。 そうなりたくて、まず縦書きの直線を引く練習をこれでもかというくらい行ない、 次に横の直線の練習へと移り、最後に円を描く練習も行なった。

その甲斐あって、私はまずシャッターの文字書き屋として独立でき、マイペースで考えながら生きられるようになった。

その体験から後々に分かったことだが、筆で縦の線をまっすぐ引く指の使い方は上側の箸を動かすのと同じ、ということである。 下側の箸を除いてみるとよく分かる。考えてみると、私達人間の体はすべて曲線でできていて直線部分はないし、 手も足も関節を中心として回転する円運動で直線運動ではない。 そんな私達が体を制御して正確な直線運動を行なうことは高度な技なのだと考えられる。 例えば修練の足りない人がカンナの刃を研ぐと正確な直線運動ができず、 わずかだが曲がりが入るので刃先が丸くなってしまい切れ味が鈍くなる。 薄くて長くつながった美しいカンナ屑が出てくれない。 そこでこんな仮説を立てた。

  1. 筆を使う書道家、画家、看板屋は筆を正しく使える。
  2. 器用、不器用の区別は箸や筆などを正確に直線的に動かせるかどうかでついてしまう。
  3. 指で直線の動きを作る能力は幼少より箸を用いることによって培われる。
  4. その子供達は成長すれば美しい文字を書き、モノ作りに不可欠な手先の器用性を身に付ける。(注)

日本は資源に乏しく国土も狭く、モノ作りで生きている国である。 この国を将来的に支えてゆく技術者・職人さんを作るために、我が「箸考会」が果たす役割は大きく、 ゆくゆくは救国の会と賞賛(?)されよう。
このため我々は一層努力して箸の道を究めていこう。 まあそんな理屈をこねまわしながら、マイ箸でつまみながら酒を飲んでいる。

(注)前記「(2)ものづくりの基本はまず箸使いができること」の項をご参照

平成16年8月

ページトップへ  ページトップへ




| 箸通信 | 箸学会についてお問合わせHOME

Copyright © 国際箸学会 The International Institute of Hashi, All Rights Reserved.