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箸から始まる「学」と「論」(4)
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No.18
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日本の文化を味わい、世界の心を豊かにする箸 No.20

秤を使わず…「十円玉と百円玉のどちらが重い?」 すぐ試してみてください
私は標記のことを最近会う人毎に聞いている。 そのわけは『日本文明の真価』(清水馨八郎著・祥伝社)に「日本人の箸使いは極めてデリケート。 これが現代世界に突出した先端技術を生み出すルーツ」とあり、「国民は毎日わずかな箸の重みを感じているので、 目をつぶっても十円玉と百円玉のわずか○・三グラムの差を判別出来る」とあったからである。

私は今まで小学生から七十過ぎの人まで四十人ぐらいに聞いてみた。 誰もすぐにやってくれる。その結果、人の態度、性格、DNAなどを早く見てとれるテストとも思うようになった。
これで

  1. まずどんな方法を思いつくか?(アイデア・論理性)
  2. 同じ方法ならどこまで正確か(肉体的に鋭いか・鈍いか)
  3. すぐ諦めるか?好奇心があるか、集中力があるか、あるいは数カ月も数年も同じテーマを考え続けるか (強い頭・集中力等)
である。

昔、本田宗一郎が画家シャガールの自宅を訪ねた時、書道の筆をプレゼントしたという。 その時、シャガールは興味を持ち始め、自室に入ってしまい、宗一郎は何時間もすっぽかされてしまったという。 すっぽかされた方は怒るより、その好奇心のすごさに感動したという話である。

又、作家の浅田次郎は一つの言葉について二時間考えると面白いことが出てくるという。

私はこの画家・作家にならい、この問題「軽重当て」だけに集中して考え続けている。
身近な例なら
  • 年令差ではどうだろう?九十才と五才とではあるだろうか?
  • 男女差は?
  • 自分の体調の差は?例えば、さえた時と眠い時や酔った時では?
  • 自分の体のどの部分が一番デリケートか?左か右か?手の平か、どの指か?
  • 目の不自由な人と健常者では?
更に深く、広く考えてみた。
  • 民族差はあるだろうか。
    例えばエスキモーと日本人との差はあるだろうか。 冒険家の大場満郎さんによればエスキモーの人は遠くの動物がよく見えるが、大場さんはいくら見ても見えない。 これが近づいて来て初めてわかるという。
  • 動物差はどうだろう。
    犬は匂いの天才、馬は乗った人の心が分かる天才、オットセイは玉回しの天才という。 そこで判定の訓練法を素人なりに考えてみた。 まず重い箱と軽い箱を用意し、動物に乗せてみる。重い箱の方に近づいたらえさをやって褒めてやる。 これで動物が判定出来ないだろうか。そうすれば「軽重当て」の天才の動物を探すことが出来るのでは…。
横道にそれたが、最終目的は「箸を使っている人と全く使っていない人では?」の清水馨八郎先生の仮説を検証したい。

一番簡単で、すぐ誰でも出来る方法は、自分の左右の手で判定することだと思った。 箸は右手でしか使っていないからである。右手と左手の役割はどうか。

野球では右の「投げ手」と左のミットでの「受け手」がある。 ものづくりの天才、宗一郎の左手はドリルで突き刺してしまったり、傷だらけだったと彼の本「手が語る」で読んだ。 左の「受け手」は我慢の手でもある。箸を持つ経験豊富な右手とさっぱり持たない左手に極端な能力差はあるだろうか。

試しに全く使っていなかった左手で字を書いたり、箸を使ってみた。 しかし、右手の長年の体験が脳に蓄えられ、それが左手を動かしている気がする。 これでは仮説の検証にはならないようだ。

以上の「軽重当て」は体で感じるだけの「体感法」である。更に考えると、 ものづくりが好きで技術屋の素質があれば、ありあわせのもので作る「天秤法」を思いつく。 これが出来れば誰でもどちらが重いかすぐ納得する。「体感法」はまぐれ当たりもあるかも知れぬ。 「天秤法」は皆が分かり、説得力がある。

前記の「体感法」「天秤法」の他にはないだろうか。 確か茅野健の本『創造性』で「分類した時、『その他』を必ず入れる。これが重要なこと」とあった。 「その他」を考え続ける事で、新しい発想が出来るのである。

例えば、今までは一枚ずつの比較であったが、それが十枚ずつならどうだろう。

    

秤は使わずに…


体感法は?


その他は?

昔、私には「問題を解く楽しみ」があった。 しかしいろいろ商品開発したり、箸を考えた経験から「問題を創る」方がもっと楽しい気がしてきた。

この問題で「体感」や「技術」の天才に出会えるかも知れないのである。

あなたもすぐ試してみて下さい。そして会う人毎に聞いてみて下さい。 そして結果をご一報いただけないでしょうか。 

平成17年11月

先日、「駒込看板」を見て、10円玉と100円玉の重さの違いを試したという方からメールをいただきました。
そのときの日記を公開しているそうです。
詳しくはこちらから 六義園通信所様 のページをどうぞ。

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