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No.18
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日本の文化を味わい、世界の心を豊かにする箸 No.34

箸から始まる「学」と「論」 (1)

人は生まれてある程度言葉を憶えると「何故?」「何故?」と聞き、学び始める。 そして学校で学び、人やメディアや自然から学ぶ。これが「学」である。
そして自分であるものを創造したり、達成したりすること、これはこういうものだとの「論」を立てる。 人に教えられるようになり、これを職業とする人もいる。

私は特殊なミラーだけを30年近く作って来た。「マーケティング」「生産」「技術」を学び続けた。 メーカーとして生き残るには、この3つの分野をバランス良く学び続けなければならないと考えている。
論ができ、仮説を立てられれば「新商品が誕生!」ということになる。
私が箸に強い関心を持ち始めた理由 - 特殊なミラーより、箸にはずっと広い「学」と「論」があり、多くの人が関心を持つと思ったからである。

例えば『日本文明の真価』(清水馨八郎著、祥伝社)によれば、日本人は「定住農耕民族」であり、手の文化である。 欧米人は「移動牧畜民族」であり、足の文化である。 欧米人は長さの単位をフィート、フットと足で計る。 日本では両手を広げて一ひろ、二尋(ひろ)といい、手の指の長さで一寸、二寸と計る。


日本は手の文化である。だからモノづくりの能力がある。何故か?  それは多様性のあるたった2本の棒である箸を使いこなして来たからという「論」になっている。 出版業の友達にこの本を見せたところ「箸は人類学でもあったんだ」と感動してくれた。

箸を題材にすると「学」と「論」は宝の山である、ということがわかる。
箸から始まるを頭につけてみると
「分類学」「史学」「日本学」
「コーチング学」「教育学」「出会い論」
「商品開発論」「デザイン論」「マーケティング論」
「くちばし学」「生物学」「環境学」
「スポーツ学」「ゲーム論」
「材料学」「表面処理学」「摩擦学」
などが思い浮かぶ。


箸でなく割り箸を頭につけても面白いと思ったが、てんでんばらばらであった。 そんな時、吉野家やモスバーガーの元幹部、上垣清澄さんが「顔の広い人がいたよ!」 と日経CNBC元社長の桐山勝さんを紹介してくれた。

桐山さんは我々の議論を1時間あまり黙って聞いた後、こう言った。 「そうだ『○○と箸』というシリーズ講演会をしてみたら面白い!」。 箸は... と箸にこだわるより、一歩退いて別の視点から箸について考えたほうが発想が豊かになると言う。

こうして昨年11月、脳外科医の世界的権威である田中美千裕先生による「脳外科と箸文化」の講演会が実現した。 講演を拝聴した我々全員が、田中先生の箸に造詣の深いことに感動した。 そしてまた箸と脳外科がまさかこんなに関係があるなんて...!

この6月に開く第2回目の講演会のテーマは「江戸しぐさと箸」である。 また箸から始まる新しい「学」と「論」が生まれる。

平成19年6月 小宮山記

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