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「国際箸学会」設立趣旨
はしがき
国際箸学会設立に寄せて
箸サロン巣鴨
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会則
「国際箸学会」 設立趣旨

箸文化を学び、新しい箸文化を創り、 箸を通じて世界中の人と共に喜ぶ。  
              例えば・・・
子供たちが心豊かな人生を送れるための箸教育をする。
美しい箸づかいを教えながら「食事時の感謝」や            
「ものづくりの楽しさ」を大人も学び、共に喜ぶ。               

はしがき
箸は古事記に登場し神事にも使われてきた、日本の最もシンプルな道具。
場所をとらず、収納、洗浄など、いちばん簡単!!

2本の棒だけで「点、線、面」の道具の機能あり、持ちかえないで 「突き刺す、はさみ切る、持ちあげ移動する」等、 片手だけで鳥の「嘴(クチバシ)」と同じ仕事が出来ます。
嘴を學べば、箸の新たな発見や開発を楽しめます。

又、箸はいちばん「文化性、多様性」がある道具。 種類も多し。素材は「動物、植物、鉱物、プラスチック」等。 そのうち植物の箸だけでも「黒檀、紫檀、ツゲ、桑、白樺、タガヤ、鉄木、桜」等々。 塗り箸の地域だけでも「若狭、輪島、津軽、会津 等々」。

用途も「盛り付け箸、取り箸、末広箸、茶事の箸、香箸、神事の箸、火箸」等多く、 それに「箸置き、箸箱、箸袋」の付属品等も。

更に、箸は我々日本人が幼児の頃から天寿を全とうするまで毎日かかさずお世話になっている道具。 日本人はものづくりが得意。これは箸で指先が器用になったおかげ。

箸にも棒にもかからぬ人はさておき「人と人とのはし渡し」。
はしを通して共に喜ぶことが出来たらと思います。 「喜べば、喜びごとが喜んで、喜び集めて、喜びに来る」を念じて…。
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国際箸学会設立に寄せて
2006.11.23         
ものづくり日本の基礎は箸にあり ― 日本の箸のすばらしさを機能面と精神面の両方から見直そうと、有志が集まって、この11月23日に「国際箸学会」を設立する。「学会というほど難しいものではなくて、本音は楽会。箸を楽しむ会だ」。関係者はこう言って照れるが、知れば知るほど箸の話は奥が深い。

●三鷹光器
  東京・三鷹に世界的な企業、三鷹光器という会社がある。米国のスペースシャトルに同社製のカメラが搭載されている。天体望遠鏡、手術用顕微鏡、高精度測量器などの分野で群を抜く優れた技術力を持つ。     1966年5月の創業で、天文台、宇宙開発、医療の分野ではこの企業の製品なくしては、何も語れないという。受賞歴も豊富だ。  
  2005年だけをとっても、患者の手術負担を軽減する脳外科手術用顕微鏡開発で東京商工会議所から「勇気ある経営大賞」、同じく脳神経外科用バランシングスタンドOH-3が東京都産業労働局から「2005年東京都ベンチャー技術対象優秀賞」を受賞している。  
  06年4月には今上陛下が視察、特に脳外科手術用の顕微鏡を実際に操作、高く評価されたという。ご自身が生物学者でもあるから、その優れものぶりを実感されたようだ。   なぜ、それほどの優れた技術力を培うことができたのか。その秘密は?

●ユニークな入社試験
  創業者、中村義一会長は三鷹の国立天文台を舞台に、永年にわたって技を磨き独立した技術者。体験から来るユニークな入社試験がそのカギを握っている。試験問題は、まず、自分の似顔絵を描くこと。そして、市販の模型飛行機を作ること。この2課題で80点。筆記試験もあるがこれは20点。  
  「絵が自分に似ているか」「飛行機は飛ぶかどうか」。答えは単純そのものである。  
  三鷹光器が扱う光学器械はミクロン単位の精密さを要求する。機械で判定するより、最後は自分の指の感覚で判断する。二つの試験をすると、三鷹光器が求めるものづくりの姿勢を、学生が持っているかどうか、答えがはっきり出てくる。  
  自分の顔は誰よりも自分がいちばん良くわかっている。似顔絵が上手か下手か、本人が誰よりもわかる。飛行機は飛ばなければ意味がない。何時間もかけて奮闘、根気強さをアピールしても、肝心の飛ぶ機能を発揮できなければどうしようもない。  
  そして、駄目押しは箸の使いかた。食事に誘い、骨付きの魚料理をご馳走する。骨の取り除き方を見て、箸の使い方が下手なら不合格である。器用ではない、ものづくりの才能がない。こう判断する。

●箸渡来は弥生末期
  箸(はし)の語源は口と食べ物の橋わたし、端と端を合わせる、鳥のくちばしのはしなどが挙げられる。柱のはしともいわれる。この場合は神の御柱、転じて神と人を結ぶ神聖な道具の意。贈りものにすると、人と人をつなぐ橋わたしで縁起がよいと喜ばれる。  
  日本に箸が入ってきたのは弥生時代の末期と推定されている。材料は柳で折橋(おりはし)と呼ばれ、ピンセットのような形をしていて、一般の人は使うことを許されなかった。神様が使う神器とされていた。箸はもともと食事用の道具ではなく、精神構造に大きな影響を与えてきたというのも、こうした経緯を踏まえた見解のようだ。  
  庶民に広がったのは7世紀のはじめ。諸説があるが、聖徳太子が遣隋使から「王朝の人たちが箸を使っている」との報告をうけて、朝廷の人たちに箸を使うよう奨励したというのが面白い。  
  8世紀に入ると、箸は折箸から唐箸(からはし)と呼ばれる、今日の二本一組のものになった。箸の文字が竹冠なのは中国で使われる箸の素材が主に竹だったためだという。  
  世界的に見ると、箸は中国、朝鮮、ベトナムなど、米食文化圏に広がっている。しかし、日本ほど箸を繊細なものに仕上げていない。黒檀や紫檀を始め、さまざまな木を素材に先を細くしたり、握りの太さや形を変えたり、漆で加工したりする例はない。

●優れもの、箸効果
  余談だが、親指と人差し指を直角に広げた指先の距離を1咫(ひとあた)とし、1.5倍の 長さが、その人にとって使いやすい箸の長さ、といった考察まで伝えられている。確かに、力学的に見てもこの指摘は当を得ている。  
  魚の身をほぐす、あるいは風呂吹き大根を一口大に割りほぐすなどの実験では、伝統的な箸の持ち方がもっとも機能的で、持ちかえる必要がなかったのに対し、他の持ち方ではうまくいかなかったという事例も報告されている。  
  江戸時代から昭和40年代まで、3歳前後の物心がつくころから15歳までを対象に、日本では躾の基本として、箸の使い方を教えるのが当たり前だった。この効果は大きかった。  
  医学的に見ると、指先が自由に使えるように、手の甲の骨が発達するのは2歳をすぎてからという。あまり早くから箸の使いかたを教えても、機能的に無理がある。  
  しかし、成長とともに、順を追って箸の片方を親指と人差し指、中指と薬指の間に渡して固定、もう一方を親指、人差し指、中指で挟んで動かすように教えていくと、使い勝手がいい。小指も、良く観察してみると、薬指を支えている。しかも、こうした指先の動きが脳を刺激、活性化する。  
  箸は全部の指が働いているからこそ使いこなせるし、ものづくりの基本になる、指先の働きや細やかな気遣いが正しい箸使いを通じて自然と身につく。

●日本は食事作法の先進国
  ポルトガル人のルイス・フロイス(1532−1596)。1563年に来日、69年には織田信長に拝謁した。ザビエルが来日した1549年から1593年までの膨大な時代史『日本史』の著者として知られる。このフロイスが箸に関する興味深い観察記録を『ヨーロッパ文化と日本文化』(岩波文庫)に残している。日本とヨーロッパの風俗習慣の違いがテーマだ。
  「我らにおいては4歳児でも、まだ自分の手では食べることができないが、日本の子供は3歳で箸を使って食べている」「我らはすべてのものを手で食べる。日本人は男女とも幼児の時から2本の棒で食べる」  
  これまた余談である。フォークとナイフを使って食事をするマナーがフランスに入ったのは1533年。イタリアのカトリーヌ・ド・メディチ(1519−89)がオルレアン公、のちのフランス王アンリ2世(1515−47)に嫁いだ際のこと。料理人や給仕人と一緒に、料理道具、料理法、食事作法が伝わった。  
  日本が諸外国に比べて食事作法の面でいかに優れていたか。ここで国粋的なことを述べるつもりはないが、この種の事実は知っておいたほうがいい。最近、何でも欧米のほうが優れているかのような言説がまかり通っているからだ。  
  箸の機能を改めて整理してみると「つく」「つかむ」「はさむ」「おさえる」「すくう」「さく」「のせる」「はがす」「支える」「切る」「運ぶ」「混ぜる」などなど。いろいろある。  
  箸の使い方。「迷い箸」「ためらい箸」「ねぶり箸」など、いずれもマナー違反である。礼法の小笠原流では箸の先端部分のどこまで汚していいか、にまで注文がつくそうで、美意識を大切にしている。外国人が日本人の器用な箸捌きを見て感嘆するのは無理もない。

●小宮山栄
  こんど、「国際箸学会」を立ち上げた人たちは、学者、経営者、サラリーマン、主婦など。いずれも箸の持つ機能性とものづくり、あるいは躾との結びつきに着目した。  
  考えてみると、昭和50年代に入ると、日本は欧米流の生活文化に押され、箸の使い方をきちんと躾けられる家庭が少なくなった。転じて、鉛筆の持ち方もおかしくなった。これにつれて、ものづくりの世界でも日本の優位性が失われてきた。最近は地球環境を守る観点から割り箸問題も浮上してきた。  
  そこで、ここ数年来、有志が小学校に出前授業に行き、木をナイフで削って箸を作り、実際にその箸で上手な使い方を学ぶ、といったボランティア活動を続けてきた。歴史や作法を学んだ後、ビー玉、米、大豆、おはじき、ピーナツを実際に皿から皿に箸で移すゲームもある。一定の課程を修了すると認定書を発行、励みになる工夫もしている。  
  こんな体験を踏まえての学会設立である。箸の大切さを折りに触れて情報発信していくという。公開講演会や会報の発行なども考えている。  
  リーダー役の小宮山栄さんは特殊鏡メーカー、コミーの創業社長。もとは看板屋だったが、何事にも興味を持ち、人に会うのが大好き。ひょんなことから鏡メーカーになった。  
  鏡は万引き防止に役立たないという話を聞いて、その効果を実証、論文にまとめるといった凝り性。次から次へとアイデアが湧くのは神様のえこひいきではないか、と思うのだが、今では世界を飛ぶジャンボ旅客機の客室の棚用に自社製バックミラーを納入している。奥に入った荷物をついとり損なうところからアイデアが浮かんだ。  
  箸との出会いも、仲間を集め、日本人のものづくり能力がなぜ急速に落ち込んできたのか、いろいろ識者に会ったり、本を紐解くうちに思い当たったという。

●離れてわかるありがたみ
  箸のありがたみは、ちょっと離れてみたほうがわかりやすい。カミさんと同じだ。  
  たとえばロボット。卵をどうやってつかむか。強く握れば壊れてしまう。それなりの力がないとつかめない。人間の手、つまり指の動きを徹底的に研究してこそ、ロボットは卵を壊さず、つかめるようになった。  
  京友禅のような繊細で微妙な線と色彩からなる文様を描く筆遣い。まず、肝心な筆を用意する事から始まる。書もそうだ。英語と違って漢字、平仮名を交えた日本文字は千変万化する。このおもしろさも良い筆があり、優れた使い手があって初めて表現できる。  
  脳外科手術。これも頭蓋骨をはずさずカテーテルを使って手術をするやり方がようやく主流になりつつある。このほうが患者の負担がはるかに軽くてすむし、回復も早い。  
  カテーテルという優れもの、電子機器を使って患部を立体的に映し出す技術、そして0.1ミリ以下の微細な患部に施術できる有能な、まさに神の手をもった医師がそろって、初めて実現可能になった。  
  いずれも、幼いころから日常的に箸を使いこなしてきたからこそ培った気配り、目配り、手配りの賜物である。

●講演テーマは「脳外科と箸文化」
  国際箸学会の設立総会は11月23日午後4時半から東京・神田神保町の学士会館で開く。
  記念イベントとして、千葉県鴨川市の亀田総合病院脳神経外科部長として活躍中の田中美千裕さんが講演する。  
  田中さんは3年前、スイス・チューリッヒ大学脳血管内手術部門主任からスカウトされた脳血管カテーテル手術の世界的権威。テーマは「脳外科と箸文化」。最先端の医療技術に箸がいかに大きな役割を果たしているか、豊富な実例を話してもらうことになっている。  
  参加費は3000円。講演の後、参加者の交流会がある。定員150人。
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『日本橋閑話』(112号、06.11.15発行)から転載。
参考文献:『箸』(向井由紀子、橋本慶子著、法政大学出版局)、三鷹光器ホームページほか

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