国際交流活動レポート
近年、海外から日本を訪れるお客様が大幅に増加しつつあり、来年は、いよいよオリンピック・パラリンピックを迎えることになりますが、国際箸学会では、2019 年2 月11 日から13 日にかけて、在日ロシア大使館学校において、お箸の“出前授業”を行いました。欧米諸国の日本にある学校を対象とした出前授業としては、初めての試みでした。
この出前授業についての事前の相談のため、2018 年12 月18 日、小宮山栄会長はじめ国際箸学会理事5名が学校を訪問し、アレクサンドル・A・ミハリョーフ学校長はじめ学校関係者と、出前授業の意義、日本文化の象徴としての箸などについて、1 時間にわたって懇談しました。学校側は、日本文化を体験する貴重な機会として、出前授業の実施を歓迎し、その場で具体的な実施方法の大枠について合意しました。
在日ロシア大使館学校は、麻布台の在日ロシア大使館の構内に併設されていますが、事前相談に訪れたときは丁度クリスマスの前でしたので、学校内にはクリスマスのオーナメントがきれいに飾られていました(オーナメントに飾られている紙の切り絵は、すべてミハリョーフ校長の手作りとのことでしたが、素晴らしい出来栄えでした。
さて、在日ロシア大使館学校は、小中高の一貫制教育で、1 年生から11 年生まで、136 名が通っており、学年ごとに1 クラス、全体で11 クラスで構成されています。出前授業は、ミハリョーフ校長のご意向も踏まえ、クラスごとに、40 分の授業で行うこととし、その後の日程調整で、2019 年2 月11 日から13 日までの3 日間かけて行うこととしました。
具体的な出前授業は、「お箸の話(紙芝居)」、「お箸の持ち方」、「箸の歌」、「箸ピーゲーム」の4 部構成とし、鈴木道こ氏と二宮真理氏が講師を務め、補佐役として他の理事がバックアップしました。
1 クラスの時間は40 分でしたが、生徒たちは、お箸をテーマとした出前授業に熱心に取り組み、楽しんでいる様子でした。「お箸の話」には真剣に聞き入り、質疑では鋭い質問が次々と出されました。また、「お箸の持ち方」では、日常生活で箸を使っている経験があるからか、箸使いにかなり慣れている様子の生徒も少なくありませんでした。「箸ピーゲーム」には、時間が足りないほどに興じていました。
全体として、今回の在日ロシア大使館学校での出前授業については、満足のできる結果が得られましたが、今回の経験を踏まえて、より良い出前授業を構築し、箸を通じての国際交流の展開に向けて新たなステップを踏み出すことができればと思います。
今回の在日ロシア大使館学校における出前授業の実施に当たっては、NPO法人日本・ロシア協会常務理事の福井浩一氏、MBRO・LLCロシア事業部長のクドリヤショフ・クリメンティ氏に大変お世話になりました。改めて、心からお礼申し上げます。