記:箸タイマー ぺけぺけ(徳永)
2023年6月1日、こんなことが起こるなんて!こんな日が来るなんて!
国際箸学会には「お箸の出前授業」や「箸づくり」で近隣の小学校へ招かれる文化事業部もあります。
しかし今回はまだ文化とはほど遠い「箸技」の授業(以下、箸技ワークショップ)を、しかも依頼主は東京大学工学系研究科航空宇宙工学専攻 先端科学技術研究センター教授 西成活裕さんが開いている西成研究室。
そ、それって何?
西成教授(西成活裕さん)は2021年にあのイグノーベル賞(※)を受賞された方です。
※イグノーベル賞:「人々を笑わせ、考えさせた業績」に与えられる賞
教授の「面白いことしかやらない」というスローガンが、わが箸学会会長の「面白いことしかできない」(あ、ちがったかな?)気質と合致。
あ~だこ~だのお付き合いをしているうちに西成研究室の学生さんや博士号を持つ方達に授業を仰せつかってしまったのです。
つまり、光栄にも西成教授の目に「箸タイム」を含む箸技ゲームが「面白い事」に正式認定されたということだ!イエ~イ!(実は今回で授業は2回目。箸タイマーが知らなかっただけでした。ポテチン)
会長、顧問のかばちゃん、箸タイマーの"もけもけ"と"ぺけぺけ"の総勢4名で東大工学部7号館を訪ねました。
セミナー室には16名の東大生や助教授がずらり。リモート参加の方が3名、西成教授含め総勢20名の前で小宮山会長より、西成教授の「面白い」につながる話をしました。
総理大臣辞任のきっかけになった立花隆の「田中角栄研究 その人脈と金脈」が掲載された「文藝春秋」の当時編集長だったO氏との出会いと、そのO氏が下手をすれば殺されてしまう危険を冒してまで掲載に踏み切った当時を振り返った感想「あれは、面白かった」なんていう話でした。
その後は「箸技ワークショップ」です。2部制にして、第1部は箸技の中のゲーム「箸タイム」の遊び方のレクチャーと競技の実践。
第2部は与えられた「お題」で「チームで新ゲームの開発にチャレンジ」でした。
まずは箸タイマーの"もけもけ"が箸ピーの遊び方と作法の説明。その後、1分ゲームの右手左手をやりました。やはり東大生も利き手ではない方は苦手な様子。あたりまえ……両手ともいきなり100個越えを期待するほうがソモソモおかしい。
特に東大生だからという特別なリアクションもなく、「箸リン」の箸づかいの講義に突入。
やはり東大生でも「箸リン」の左手のつまみは超ムズかった(東大生でも、とか だから とかは差別用語かもしれないから今後使わないことに)
さて第2部です。
与えられたお題で「新ゲームの開発」です。
スライドには、コミー(株)でやった2つのテーマと結果を掲示。
さて今回のお題は、もちろん「渋滞」!と発表するとみなさんちょっと笑う。もっと笑うと思ったけど、さすが東……あ 言わないことに決めてました!
西成教授は「渋滞学」の権威で著書多数。イグノーベル賞はその渋滞理論を元に「歩行者が他の歩行者と衝突する理由」を研修したチームで受賞されました。
4人でチームを作り、制限時間は15分。
スタート!
テーブルに着いた列でムリヤリ出来上がったにわかチームですが、みんなよくしゃべってますネ。
リングや箱を動かして説明を始める人が出たと思ったら、途中で行き詰る。それを引き取って別の視点からの展開を身を乗り出して始める人。お~……なかなかいい雰囲気です。
そして、あっという間に15分経過!
さあ、それぞれチーム名とゲーム名を発表していきます。
■Aチーム チーム名「バブルズ」 ゲーム名「ウルトラファインバブル」
メンバーにウルトラファインバブルを研究している人がいて、リングをバブルっぽくランダムに敷き詰めて赤と黒の陣取りゲーム。
■Bチーム チーム名「青と黒」 ゲーム名「渋滞ゲーム理論」
※チーム名の由来は、それぞれのシャツの色が「エストニア」国旗の色みたいだからだそうです。
それぞれリングに入るピーナッツの数に制限を設け、4人で対戦。お互いの入れた数は不明という点がミソで同時に見せあっての陣取りゲーム。全員の合計数で制限数を超えていたら点にはならず、制限数内であればそれが点数になる。
■Cチーム チーム名「チームピーナッツ」 ゲーム名 … 考えてなかった
ピーナッツを使ってお題のスライドを再現。箸でやります。
こ、これはコミーでも良くやるパターンじゃ……
■Dチーム チーム名「柿ピー」 ゲーム名「陣取り合戦」
赤リング、黒リングの2人対戦。5つのそれぞれの輪には、入るピーナッツ数を1~5まで割り振る。持ちピーナッツ数(テストプレイで検証中)があり、輪に入れたピーナッツで定数に達したら、輪の中のピーナッツは自分のモノになり、ピーナッツがなくなったら負け。
たった15分の持ち時間にみなさん集中しましたね~♪ありがとうございます。
さすが東……言わない!
そして、栄えある西成賞は「ゲームとして出来上がってる」という教授のコメント付きで
Bチーム「青と黒」が獲得しました。
2時間たっぷり、楽しい時間を味わえました。みなさん、ほんとうにありがとうございました。東京大学での初の「箸技ワークショップ」これにて終了。
西成教授からは「普段はみんな一匹狼で、自分の研究や課題に没頭しています。2部のゲーム開発で見せたワイワイやる姿は珍しいことです(※発言は正確ではないですが、このような内容でした)」とびっくりされていました。「この東大でも授業に取り入れたらよいかも」というようなこともおっしゃっていました。どひゃ~。
その後、教授には「せっかく来たから」と、大学構内の建物や三四郎池などをまるでツアーガイドよろしく案内していただきました。
西成教授って面白いなァ……ますますファンに!
ほんとうにありがとうございました。
西成教授は読売新聞日曜版の書評欄に隔週くらいのペースで登場し、面白い本の書評をされています。本を選ぶその裏話もメッチャ面白かったでス。
<この記事の執筆者>
2022年10月より、コミー(株)から国際箸学会に出向しています。コミーでは営業を担当していました。「箸タイム」購入者に向けて講習を行ったり箸技を広げる「箸タイマー」としてお手伝いをしています。
「ぺけぺけ」は、あだ名で呼び合う「笑いヨガ教室」に参加したときに自分で付けたあだ名です。同じく出向社員の横瀬さんが「もけもけ」に決めたので、私は反射的に「ぺけぺけ」にしました。
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